春に、聞いてみる。
春よ、あなたはどうして春ですか。
春は、だまって首を振る。
呆れているのだろうか。
夏に、聞いてみる。
夏よ、あなたはどうして夏ですか。
夏は、にっこり微笑んで、
セミの抜け殻をひとつ、
私の手にそっとのせた。
困った私は秋にも聞いてみる。
秋よ、あなたはどうして秋ですか。
少しの沈黙の後、
秋はふっと姿を消した。
残った私のおでこのうえに、
ひらひらと、
イチョウの葉っぱが落ちる。
どこへ行ったのだろう。
冬は、まだ気配がない。
出会えたならば、
出会えたならば、
冬にも聞いてみたい。
冬よ、あなたはどうして冬ですか。